クラウドソーシングでの翻訳は稼げる?
翻訳の案件を探すときに候補に上がるものとして、「クラウドソーシング」があります。
翻訳学習者や初心者の方からも、よく「クラウドソーシングで翻訳の案件は見つかりますか?」と質問があります。
最近では「スキルマーケット」のような名前でもサービスが展開されていますね。
有名なところだと、クラウドワークス、ランサーズ、ココナラ、翻訳に特化したものだとGengo、Conyacなどはよく名前を聞きます。
実際のところ、これらのクラウドソーシングサービスで安定して稼ぐことは可能なのでしょうか?
目次
実際にサービスを利用してみた
百聞は一見にしかず、ということで私もフリーランスになりたての頃、いくつかのサービスに登録してどんなものか見てみました。特定のサービスについての言及はしませんので、これから書くことはいろいろなサイトを見て総合的に感じたことと思ってください。
とりあえず有名どころと翻訳特化のサービスをいくつか、合計4つぐらいに登録をしてみました。
細かな違いはありますが、基本的に最初の流れはどこも変わりません。アカウント作成→プロフィール作成、その後は自分の希望に合った案件に応募するだけです。実績を積めばクライアントからオファーがあることもあるようです。
一般的なクラウドソーシングの場合
普通のクラウドソーシングサイトに関しては、翻訳の案件はあることはありますが、掃いて捨てるほどたくさんあるというほどでもありませんでした。
で、実際にいくつか応募してみましたが、競争率がかなり高いです。
また、クライアントの予算は提示されているものの、基本的にこちらが応募する際に「いくらでやりますよ」というオファーをする形なので、基本的にはチキンレース状態なのではないかと思います。
何度かチャレンジしてみましたが、条件がまともそうな案件は箸にも棒にもかからない状態が続いたため、そこで止めてしまいました。
また、全体的に恐ろしく単価が低いです。一度でもまともな案件に関わったことがあれば、どれだけ異常な単価かすぐ分かると思うのですが、「正直BIG ISSUEでも売ってたほうがマシ」レベルの案件もゴロゴロしています。
うーん、でもものすごいたくさん実績を積んでる翻訳者も中にはいるようなので一概にダメ案件ばかりとも言えないのかもしれません。
勝手な予想ですが、これ系のサイトで成功している人は、かなり昔からコツコツ実績を積み重ねてきた人か、サービスを完璧に使いこなすために膨大な労力をかけた人なのではないのかなと思います。
とりあえず、初心者にはハードルが高めということが分かったところで一旦撤退しました。
翻訳特化のクラウドソーシングの場合
翻訳特科サービスの特徴として、翻訳者として登録する際にテストが課されることがあります。翻訳会社のトライアルと同種と考えてよいと思います。翻訳者プロフィールにはランクが設定されていたりして、ランクによって翻訳単価や受けられる案件の種類などが変わったりすることもあるようです。
テスト自体は翻訳をかじっていればそれほど難しくないと思われます。私もあっさり合格しました。
案件のとり方は、サイトで探したり、メールで通知を受けたりと何種類か方法がありますが、基本的に早いもの勝ちシステムを取っているところが多いと思います。
では早速仕事を、、、と思いましたが、やはり単価がしんどい。。
あくまで私の経験の中だけの話なので、実態はもっと違うのかもしれませんが、普段受けている案件の半分以下、酷いものだと10分の1にも満たない単価の案件ばかりでした。
ボリュームが少ないものだと、一件こなしてうまい棒一本も買えない案件もよく見かけました。
社会経験と割り切っていくつか案件をこなしてみたものの、売上が数千円になったところで割に合わなさすぎてギブアップしました。これもコツコツと実績を積み上げていけばいずれは稼げるようになるのかもしれませんが、そこまで到達するまでの労力を考えると気が遠くなりそうです。
まとめ
正直なところ、私の周りのプロの翻訳者の人で、クラウドソーシングメインで仕事をしているという人は一人もいません。もちろん中にはそういう人もいるのだと思いますが、先程書いたように、すでにかなりの実績を積んでいる人か、かなりの労力を割いた人が一定の成果をあげられているのだと思います。今からそこに割って入ろうとすると、途方も無い営業努力が必要になってくるのではないでしょうか。また、実績がない内は、リアルに時給500円にも満たない仕事を受ける必要があることもある程度覚悟しておいたほうがいいです。個人的にはそこまでしてクラウドソーシングにこだわるよりも、腕を磨いて正攻法で翻訳会社の案件なり目指したほうが良いと思います。
また、クラウドソーシングに翻訳を依頼しようとするクライアントは、基本的に安さだけを求めている会社や個人が多い印象があります。本来クラウドソーシングとは高いスキルを持ったフリーランスとクライアントをマッチングするものですが、日本での実態はそうとは言えないのが現状です。例えば、翻訳会社に見積もり依頼したものの、高すぎるため、クラウドソーシングで直接フリーランスを雇う、みたいな流れです。
本来クライアントとの直接取引は主に金額面でメリットがあるものですが、日本のクラウドソーシングではそれがまったく感じられませんでした。また、安く翻訳を買おうとするクライアントに共通する特徴ですが、翻訳に対する知識が乏しい、つまりリテラシーが不足していることが多いです。仮に取引ができたとしてもやり取りに苦労することも多いかもしれません。
古い記事ですがこのような数字もあります。
https://news.careerconnection.jp/?p=21360
翻訳に限らず、日本のクラウドソーシングの厳しい現状が見て取れると思います。
結論としては、基本的にはクラウドソーシングでの翻訳案件獲得はおすすめしない、ということになります。
クラウドソーシングで稼ぐ努力をするよりも、スキルを磨いてきちんとしたエージェントに案件を紹介してもらうほうがよっぽど早く収入アップにつながると思いますので、利用を検討している人は、合わないなと思ったら早めに見切りをつけたほうが良いのではないでしょうか。
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