2021-06-22

海外の翻訳会社に目を向けよう

翻訳者が案件を得るためのメインのルートは、翻訳会社のトライアルを受け、案件を紹介してもらうことです。
翻訳会社を探すにあたり、まずはいろいろな求人を見て回ると思うのですが、とりあえず最初は日本の会社に目が向くと思います。
日本に住んでいて日本に働くのなら当たり前のようにも思えますが、翻訳という仕事はそもそも異なる国同士のビジネスを円滑にするための方法の手段でもあります。当然、世界中にたくさんの翻訳会社があるわけです。

海外の翻訳会社でも日本人の翻訳者を求めているところはいくらでもあるので、まったく候補から外してしまうのはもったいないのではないでしょうか。

Twitterでこんなアンケートをとってみました。

サンプルがそれほど多くないのでそこまで正確ではないかもしれませんが、海外メインで仕事をしている人は3割程度という結果でした。

国内の翻訳会社について

多くの翻訳者がメインの取引先にしている国内の翻訳会社ですが、メリットとしてはやはり日本国内の会社であるゆえに色々な面で安心感があるということでしょう。
日本語でやりとりができますのでビジネス上のコミュニケーションはスムーズですし、サポートも手厚いところが多い印象があります。

一方で、あくまで一般論かつ私の体感も含みますが、仕様や品質要件については海外よりも細かいことが多く、「品質」という面では厳しい目が向けられる場合が多いです。トライアルの難易度も年々高くなってきており、平均的なトライアル合格率は10%~20%程度と言われています。

また、翻訳単価については良くも悪くも安定しています。業界的な平均値に近い単価を提示する会社が多く、そこから大きく外れることはあまりありませんので、極端に悪い条件の案件というのはめったに見かけません。ただし平均は年々低くなりつつありますし、平均を大きく上回る単価で仕事を受けられるケースもあまり多くありません。

海外の翻訳会社について

海外の翻訳会社に目を向けるメリットとして、まず日本に限定するよりも遥かにたくさんの選択肢が生まれるということがあります。国内は単価が安定していると書きましたが、海外はそれこそ玉石混交なのでびっくりするぐらいの低単価案件や、逆に日本では考えられないぐらい条件が良い仕事にありつける場合もあります。分野やコンテンツも様々で、珍しい内容や分野の翻訳を担当するチャンスもあります。

アンケートの結果からも分かるように、海外の会社と契約している翻訳者は少数派です。つまり、日本以上に日本人の翻訳者が不足していてライバルが少なく需要が高いので、条件面で非常に良い会社からの安定受注を受けるチャンスもかなりあります。

国内に比べるとトライアルは若干ハードルが低い印象がありますが、これについては一長一短です。契約できる会社は増えるかもしれませんが、実力不足だとトラブルになったり干されたりするのは国内と変わりません。国内のトライアルに歯が立たないから海外で、という考えはかなり危険で、むしろ言葉が通じないのでよりたくさんのことに気を配る必要が出てくるので注意してください。

海外取引の注意点

海外の翻訳会社と取引する際は、国内のときよりも注意すべき点が多くあります。

■やり取りはすべて英語
当然ですが、一貫して英語でのやり取りとなります。口頭での会話が必要なケースは基本的にありませんが、メールでのやり取り、作業指示、支払い請求等すべて原則英語になりますので、英文でのメールがまともに書けないレベルは厳しいです。挨拶程度なら誰でも書けますが、質問事項やトラブルがある場合、相手に伝わるように文章を書く必要があります。

■支払いの受け取りが通常と異なる
支払いを円以外で受け取ることが多いため、外貨の受け取り用の口座を作ったり、手数料を支払わなければならない場合があります。必要な口座や支払い通貨は会社によって異なるため契約時にしっかりと確認しておく必要がある。

■基本的に相手に日本人がいない
日本だとコーディネーターや品質管理担当の日本人相手に色々と相談できますが、日本人がいない場合特に翻訳時に発生する日本語特有の問題について、自分で判断、解決する必要が出てきます。相談したところで助けになる回答は期待できないため、翻訳者としてよりプロフェッショナルな解決能力が求められます。

■時差がある
日本との時差の関係上、コミュニケーションに問題が発生する場合があります。アジア圏はそれほど影響はありませんが、欧州、北米南米は時差が大きいため夜間や深夜でも平気でメールが飛んでくることがあります。配慮してくれる会社もありますが、一切お構いなしで納期を切ってくる会社も中にはいますので注意してください。

■怪しい会社、雑な会社を見分けにくい
海外の翻訳会社の中にもあまり真っ当とは言えない会社や、コミュニケーションがまともに取れない、いい加減な会社も山程あります。日本ならある程度情報は集まってきますが、海外となるとその会社がまともかどうかを判断するのが難しい場合があります。誰でも知っているような有名な会社でなければ、ProzのBlue boardを確認したり、会社のホームページや現地の登記情報など確認することをおすすめします。

それでも海外の翻訳会社をおすすめする理由

たくさんの注意点を見ると、結構ハードルが高そうだと感じる人もいるかもしれませんが、私はそれを補って余りあるリターンが海外取引にはあると思っています。

一つは、やはり条件面です。もちろん地道な新規開拓は必要になりますが、日本ではなかなかない好条件の仕事が見つかることがあります。最初に書いたとおり需要は非常に高いので、結果を示すことさえできればかなりいい条件で安定した売上を期待することができます。

もう一つは、フリーランスとしての経験値が高いということです。英語でのやり取りはもちろんですが、プロの翻訳者として日本の会社とやりとりするよりも考えることが多く、それにより翻訳者としての全般的なスキルの底上げが加速されると思っています。海外の会社とのやり取りで得た経験が、日本の会社とのやり取りに生かされることも少なくありません。

現在日本の会社のみと取引されている翻訳者の方で新規開拓や収入面で悩みがある方などは、ステップアップの選択肢の一つとして海外の会社を検討してみてはいかがでしょうか?

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